第2章 ハートの海賊団
「ねぇロー。私、どこで寝たらいいかしら?」
この船を見て回った所、空いている部屋はなかったはずだ。
キッチンか…、物置場か…
「ここでいいだろ。」
「ここかぁ。うん。ベッドもあるし、居心地良さそう…それに沢山の医学書と机…って!!ダメでしょ!!」
「いやここローの部屋でしょ!ほら、他の部屋空いてないの?なんならキッチンでも物置場でも…」
「そんな所で寝られたら困る。医者としてそんな汚ねェ所で寝るなんて許せねェ。」
(許せねェ。じゃない…。こんな所で寝てたら心臓が持たない…)
「嫌なら、野郎共の部屋でもいいが?まぁ、そんなとこにいたら何されるか…」
まだ納得いかない顔でいると、
「なんだ。俺は船長だぞ?これは“船長命令”だ。」
ローは顔をグッと近づけ、ニヤッと笑った。
「わ、分かったわよ!!ここで寝るわよここでっ!!」
自分の顔が一気に熱くなるのが分かる。
何この俺様発言!!
私は今までローについて思った、
“かわいい”や、
“意外とかっこいい”
などのイメージを全て取り消して、部屋を出ていった。