第2章 ハートの海賊団
「……んん…」
ふわふわ…モコモコ…。ここは―――
「ベっ、ベポ!?」
私はベポの上で寝てしまっていた。
みんなお酒に酔って寝ていたのだ。
(私もつられて寝てしまっていたのね。)
私はそっとベポから離れ、寝ぼけながら船内を歩いた。
(誰も起きてないのかな、寂しいな。…あれこの部屋…電気ついてる…なんだろ)
不思議に思って中へ入ると――
「すごい本の数…!!」
ベッドがあるということから、誰かの部屋だと思われる。
「少しだけなら…入ってもいいかな。お、お邪魔しま~す」
(医学書ばっかりだわ。船医さんの部屋なのかしら…。)
一冊の本を手に取ったその時。
「―――おめェ、ここでなにしてる。」
「ロー!」
誰もいなくて静かだった寂しさから、私はローの胸に飛び込んだ。
ローの身体の温かさや心臓の音が私にも伝わってくる。
すごく、“心地いい”。
「ねぇロー?この部屋って誰の?医学書が沢山ある!!」
「俺のだが?だから聞いた。ここでなにしてる、とな。そしたらお前がいきなり抱き―――」
「きゃぁっごめんなさいっ!」
私は急いでローから離れた。あまりにも心地よかったので、ずっとそのままだったのだ。
私はこの船にいて心臓がもつのだろうか……