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花吹雪の様に。《ONE PIECE》

第6章 何のため?誰のために?




“こいつを引き取ってくれ!もう近くに置いておきたくねェ!!こいつは……悪魔だ!”


そう言われ連れてこられた少女。


見ているだけで痛々しい程傷だらけで、
血がぽた、ぽた、と湧き出ていた。


“ちょ…傷だらけじゃないですか!あなたこの子に何をしたんですか!!”
たしぎは、少女を渡しに来たその男をきっと睨む。


「仕方なかったんだよ!!おまえもあぶねェぞ!そいつが見たものはぜん…う"あぁぁぁぁ!!!!」

男はいきなり唸り始め、崩れ落ちた。
まるで、男の体を一直線に稲妻が走ったようだった。


“…言わないでって……言ったじゃん…”




歯の間をようやく洩れるような微かな声であったが、

なぜか

遠くまでこだまして聞こえるようだった。



厚く、何かが込められているような――。




“なにこれ…まさか、この子がやってるの…?どこも触れてないのに!!”


スモーカーさんも黙って見てないでこっちに来てください!
とたしぎが叫ぶ。


叫ぶその声よりも、
消え入りそうな少女の声が

頭の中を揺らすように響いていた。



“あくま…あんまり、近づかないほうがいいよ”

少女は途切れ途切れに呟き、ふわっと笑ったかと思うと
糸がぷつんと切れたように膝から崩れ落ちた。

同時に男の呻き声も止まり、
スモーカーとたしぎも力が抜けたように座り込む。


“おいたしぎ、どういうことだ。”

近くに居るだけで感じた、異常な程の圧迫感。
見えない何かが体全体にまとわりつくようだった。

“相手を威圧させる力だと覇王色の覇気ですが、この子の場合はその確率は低いです。また別に何か、特別な力を持っているのではないかと思います。”


この女がもつ 特別な力 。

5年以上経った今も分からないままだ。












誰にも

心を開いてくれないまま。
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