第6章 後同行願います…
「わかんないかも…」
「……そうか」
ひどく、私の言葉に落胆したように見えたのは気のせいかな?
どうしてあんなにもバカにした私の言葉なんかを期待したんだろうこの人は
「何か、期待してたの?」
私が聞いても、赤司はこっちを見て黙ったまま
噂もきく
それは、私なんかと違って健全で
微笑ましくて
羨ましくて
素晴らしい真面目な
赤司征十郎という一人の人間の、だ
「オレは、完璧なんだと」
言いながら、シャープペンの先をカチカチとならした
その姿が、なんとも滑稽で
似つかわぬ光景だった