第3章 弱点
「あのさ、古文ってやる必要あるのかな?」
「必要性はわかりませんが、出来ればテストでも差がつけられやすくなりますよ?」
拾へる、の『へ』をもとより『え』に直してくれれば読みやすいのにさあ………
ということで、青いベンチでお勉強を教えてもらってます
「水色くん、水色くんはなんで私の名前を知ってるのかな………?」
「み……水色……?僕は黒子テツヤです。
なんでって、君は有名人ですからね
学年1の“変態”だって」
「ゔ…………」
なんで、私の第一印象はみんな“変態”なんだよ
がっくり肩を下ろす私を慰めようか、黒子くんはぽんぽん、と私の頭を撫でながら
「変態といっても、大人なことに興味があるんですから
みんなより一歩早い成長を遂げてるんじゃないでしょうか?」
黒子くんの言葉に、ちょっと元気が戻るも
実際、逆だ
私は、みんなより成長が遅い
胸だってまだ小さいし
初恋だってまだだし………
生理が初めて来たのだってちょうど五ヶ月前…………
みんなより遅い
私は、一足分、遅れを成しているのを
変態を装って誤魔化してるだけなんだろうな