第2章 完璧
「………入れぇ…………
私、ほら入るんだ卯月彩空!
怖じけづくな!」
図書室の前を右往左往しながら、こっそり図書室を伺う
「あああああああ!ほらいるよいる!
誰かいるよ………」
誰かいるのは当たり前だけど………
図書室には人影ひとつ
きっと、先生の言ってた生徒かな………
私はあまり目のいい方じゃないから、この距離では顔までは分からないけど……
窓側の、日に照らされた席に
赤い髪の人がいたんです………
どうやら本読んでるみたいだけど
…………私、入ってもいいの?
見る限り、あの人しかいないみたいだ
うわ………入りにくい………!
「もういいや!
話終わらせてさっさと帰ろう」
ふんっ、と息を吸い込んで
私は扉を開けた