• テキストサイズ

おそ松さん〜青春群像松劇〜

第3章 不純異性交遊?いやいや中身大人ですから


いくつか質問され、この一連の会話は演技ではなくタイムリープしてきたからだと事実を伝えると、"過去"では引かれたのに"現在"は信じてくれた。作り話のような話なのに、黙って真剣に話を聞いてくれて、僕の話を理解しようとしてくれた。

そして、のぞみちゃんからは、数年付き合っている2人の思い出や約束事みたいのを聞かれたけど見事に0点。

のぞみちゃんの表情が悲しみの色に塗りつぶされていく。


「すごいね、映画みたい…タイムリープして会いにくるなんて…」


そう言ってまた、泣く。


「でもごめん、嬉しいけど寂しい…。だって今までの記憶ないんでしょ?だけど泣きたいのはチョロくんだよね。きっと今怖いよね、不安だよね」


「あの時信じてあげられなくてごめんね」と言い終わると、また肩を震わせ泣いている。蛇口が壊れたみたいに。

どうして自分を責めるんだろう。なんてお人好しなんだ。

それに比べて僕はなんだ?

自分の事しか頭になかった自分に腹が立ち、拳を握りしめる。

涙が止まらないのぞみちゃんの両肩に手を置く。


「高橋さ…いや、のぞみちゃん」


真っ直ぐ見つめる。ああ、なんて可愛いんだろう。


「…チョロ…くん…」


大好きな人をこれ以上悲しませる訳にはいかない。


/ 80ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp