第3章 不純異性交遊?いやいや中身大人ですから
なんという事だ。
彼女の話によれば、僕はまだ実家暮らしでニートらしい。しかも6人全員。
あいつらはいいとして彼女いるのに何やってんだ僕。
彼女という宝具を持ってしても、無職には抗えないのか?
しかも問題は山積みだ。
ぽっかりと記憶が数年間抜けているというこの事実。
時空を移動した僕の記憶は以前のまま。戻って来ても彼女と過ごしたもうひとつの世界の記憶がまるでない。どうやって付き合えたのか、引っ越すと言ってたのにどうして会えてるのか、2人で織り成す愛の絆というか肉体関係の気持ち良さは如何程なのかとか全然わかんない。
恐怖が心を侵食してゆく。
つまり——この改変された未来での僕の記憶は、高3の夏から今現在までの数年間、ごっそり抜けてしまっているのだ。