第3章 不純異性交遊?いやいや中身大人ですから
「変なとこって…?」
「ほら、お互い初めて話したのにいきなり未来から来たとか厨二病発言してきて。それなのに次の日、記憶にございませんとか慌てふためいて」
「やっぱり…」
写真に加えて、我が家にのぞみちゃんがいる時点で過去は改変されたというわけだ。過去を確定して申告してしまったんだ。
恐る恐る尋ねる。
「あの…今日…何年何月何日?」
「え?ええと、令和○年6月9日」
うん、間違いない。その日付は僕がタイムリープした日だ。
更に聞かないといけないことがある。
「あと、高橋さんがここにいるってことは、あ、あの、僕らって、男女のつがいというか、互いに卑猥な行為を許可した仲というか、そういう関係性を築いていたりする…のかな?」
「なんでそんな気持ち悪い表現なの?付き合ってるけどさ」
「…!」
驚きのあまり、一瞬呼吸が止まった。
壁に背を預け、深く息を吸う。
「そっか…僕、頑張ったんだな」
高校生の僕は、見事恋のバトンを受け継いでゴールしてくれたみたいだ。
死ぬほど嬉しいのに、なんだろう、この感じ。
どうしてこんなにモヤモヤするんだろう?
理想的な未来に戻ってこれたはずなのに。
ああきっと僕は、この改変された未来で、一流企業に勤めながら彼女と愛を育み、結婚して毎日子作りに励んでいるに違いない。
てか記憶ないのにいきなり仕事できるのかな?
休職届出した方がよくない?まずは休んでメンタルケアしないと。
あと気になるのは…
「あいつら……ええと、兄弟は元気かな」
みんなもちゃんと就職してるのかな。家出てる奴もいるんじゃないか?
「元気かなって、毎日一緒にいるのに何言ってるの?」
「毎日?てことは僕まだ実家暮らしで結婚してないの?」
「結婚って…!その前にチョロくんは就職しないとでしょ!」
「無職!?」
のぞみちゃんは、呆れた様子で頷いた。