第3章 不純異性交遊?いやいや中身大人ですから
もし未来に帰ったとして、もう接点は持てたし、のぞみちゃんと結婚してたりして!!
いびきやら寝息が聞こえる布団の中、ニマニマと新婚の妄想をする。
仕事で疲れて帰ってきた僕に、肉じゃが作ってくれるのかな?2人で料理なんかもしちゃったり。あとはお風呂も背中流しっことか…フフッ、人妻になったのぞみちゃん絶対可愛いよね!てか人妻って響きがエロい。エロい人妻とひとつ屋根の下で暮らすってだけでやばい。人妻のぞみちゃんとのめくるめく子作りとか、考えただけでチョロ松のチョロ松が元気になってきた。
まずいな。明日も朝一緒に登校する約束したのに眠くならないぞ。
こんな夜は自家発電に限る、と立ち上がった瞬間、激しい頭痛がして視界が揺れた。
覚えのある感覚に襲われ、咄嗟にポケットに入れていた気持ちメーターを見る。
針が…プラスを振り切っていた…。
「嘘…だろ…!新婚の妄想だけで満足しちゃうのかよっ!」
ありとあらゆる憎悪を頭の中で思い浮かべる。
だけどダメだった。
エロい人妻のぞみちゃんの妄想が全てを打ち消し、僕の脳内を幸せ一色に染め上げていく。
手すら繋いでないのに。
好きって伝えてないのに。
これで戻っちゃったら、その後のあの子と僕はどうなるの!?
今よりポンコツな高校生の僕が、のぞみちゃんと不純異性交遊なんてできるわけないだろ!
「だめ…だ…クソッ…」
這いつくばってカバンへと辿り着く。
身体から記憶が引き剥がされるようなおぞましい感覚と戦いながら、ボールペンを手に取り、思考が途切れる瞬間までペンを走らせた。