第3章 不純異性交遊?いやいや中身大人ですから
こうして、僕は放課後のぞみちゃんと帰ることになった。
トド松はコンビニスイーツで釣り、先に帰らせておいたので心配はいらない。
明日にはもう、僕に彼女が出来たとクラス中の噂になっているだろう。
カラ松とトド松を抜いた他の兄弟達は、今朝の一件以降更に冷たくなったけれど気にしない。
思春期のいちいち面倒なアイツらを相手している場合ではないんだ。
僕が不純異性交遊という目標を実現でき——違った、未来へ帰れるかどうかの瀬戸際なんだから。
兄弟が寝静まった深夜、頭の中を整理すべくこの2日間で起きた出来事を反芻する。
まだ過去の生活には慣れなくて辛いこともあったけれど、のぞみちゃんに会えた喜びに疲れなんて吹き飛んでしまった。明日また会えると思うだけで、嬉しくて目が冴えてきた。
デカパン博士の言う通りならば、このままいけばのぞみちゃんとミラクル連発して未来に帰られるはずだ。
未来に帰る、か。
未来に帰るため、彼女とお近づきになる。
近づけば近づくほど、帰りたくないという相反する感情が芽生え、イマジナリーチンコで無理やり気持ちメーターを下げる。
……なにこの生き地獄。頭の中がバグを起こしそうだ。
でも、彼女は1週間でいなくなる。
もしそれまでに帰れなかったら?
このまま戻れずに高3から人生やり直し?
それも……もしかしたらいいのかも?
帰ったところで僕の人生どう変わるというんだ。
のぞみちゃんが引っ越す前に連絡先聞いて、ずっと連絡取り合うという手段だってある。
なにもあんなクソみたいなニート生活に、戻らなくたっていいんじゃないか?
そういえば博士が言ってたっけ。未来が変わる可能性があるって。