第3章 不純異性交遊?いやいや中身大人ですから
「実は、トト子先輩にお願いして話しかけるキッカケを作ってもらったんです。先輩達仲良かったから」
「そうか、それで今日トト子ちゃん…」
そうだよな。トト子ちゃんが理由もなく誘ってくれるなんて奇跡ありえないよな。
のぞみちゃんは小さく息を吐き、続ける。
「一度お話してみたいなぁって悩んでたけど、昨日、決死の覚悟でトト子先輩を助けてる姿を見たら決心がついて。あの時の先輩に私、勇気もらえたんです!!」
夢オチと勘違いしてスカートめくってるクソな僕に勇気もらったの?なにその都合の良すぎる感じ…。
サイコーすぎない!?
これはまさに追い風が吹いている!僕の恋に!
いいの?期待してもいいの?これ完全に僕を単なる好意以上の対象として見てるよね!?
もう未来とか戻んなくていい。ここから僕の人生コンティニューして、彼女と幸せな家庭を築いていくから。
「私、このまま行動しないで引っ越したら絶対後悔すると思って」
後悔?
それは僕だってそうだよ。
僕の後悔、それは、始まる前からこの恋を終わらせたこと。
"どうせ"、"でも"、"だって"と言い訳を重ね、何の行動もしなかったこと。
神様がいるのかなんなのか分からないけど、不思議な力でこうして君に逢いに来られたからには——って待って。今なんて言った!?