第3章 不純異性交遊?いやいや中身大人ですから
「大丈夫ですか?具合悪いなら帰ったほうが…」
「い、いやいやいや、元気!元気だよ!」
「でも喉も調子悪そうですし。いつもはもっとこう、声が高かった気が…」
しまった。その設定すっかり忘れてた。
「ああ、実は…病み上がりでねっ、完治はしたけど…。でも僕、キミと話した事あったっけ?」
そう尋ねると俯いてしまった。と思ったら、今度は顔を赤らめながらこっちを見てくる。
目が合うだけで勃起しかけたので、5人のチンコをイメージし、彼女の顔の横に並べて興奮を冷ます。
イマジナリーチンコが彼女の顔を囲む。
のぞみちゃんは思い詰めた表情で「いいえ」と首を振った。チンコと共に。
やはり僕の記憶通りだ。今この瞬間、初めて僕らは会話を交わしている。
「でも……いつも見てました」
のぞみちゃんは憂いを帯びた笑顔になる。すぐ壊れてしまいそうで守ってあげたくなるような、そんな笑顔。
「松野先輩が、校門の前に立って誰も聞いてないのにみんなに朝と帰り律儀に挨拶していたり、図書館で難しそうな本読んでるのに本逆さまだったり、徒歩なのに手信号しながら角曲がったりしてるのを」
「僕そんなことしてたの!?」
はずっ!?
恥ずかしくて死にそうだ。出来ることなら彼女の脳内から消去したい。
「面白い人だなぁって気になってて。嫌だったらごめんなさい」
「それは正直、かなり恥ずかしい…けど…」
「そうですよね…すみません…」
え?このタイミングでなぜ落ち込むの?
「いや、べつに嫌っていうわけではなくて…」
「でも突然『いつも見てた』なんて言われたら普通引きますよね」
そう言いながら頭を下げてくる。
なんでさっきからこんなに謝ってくるんだ?むしろ嬉しいのに。
肩を落とし、「すみません」と言いながら項垂れている。
ああもうっ!だからなんでそんな暗い顔…!