第3章 不純異性交遊?いやいや中身大人ですから
唐突に訪れた幸福のダブルパンチに僕はタジタジである。
どうすんだこれ。
三角関係になったらどっちにすればいいんだ!?
甲乙つけがたい!
いやでも……!
ぶっちゃけトト子ちゃんは成人後も関われるし……!
ここは、出現率の低い彼女との仲を深めるべきでは!?
でもこの時期のトト子ちゃん超絶可愛いし………ってバカ!僕のバカバカバカ!
本来の目的を見失うな!!
「チョロ松にいちゃんなんで自分の頭殴って髪の毛むしってるんだろ?」
「不思議ねー」
冷静に。努めて冷静チン着に。
くるんとみんなに背中を向け、視界に入らないようにしてから気持ちメーターを確認してみる。
(すごい!昨日はずっとマイナスだったのに…!)
針は既にプラスになっており、MAX値10のうち5まで上昇していた。
ほんっっと、真面目だよなぁ僕って。そんなすぐ満足されても困る。
帰るなら、もう少し女子とエロい事させてからにして欲しい。
「大変!」
メーターを眺めながら切実に祈っていると、トト子ちゃんが可愛い声を上げた。
急いで振り返る。
「どうしたのトト子ちゃん!」
トト子ちゃんは、口元に手を当てて困った仕草をしている。
「ヴァイオリン忘れてきちゃった。トド松くん一緒にお家まで着いてきてくれない?」
「いいよ。ねえチョロ松にいちゃんも——」
「ほら早く行こ、トド松くんっ」
トト子ちゃんは強引にトド松の腕を引くと、あっという間にいなくなってしまった。
「え?」
つまりは、僕とのぞみちゃん2人きりである。