第3章 不純異性交遊?いやいや中身大人ですから
幸せを噛み締めながら会話をし、交差点に差し掛かったところで、
「トト子先輩おはようございます!」
「ズコーーーッ!!??」
「おはよう高橋さん……ってチョロ松くん!?」
「チョロ松にいちゃんっ!?」
ってな感じで、不意打ちすぎるのぞみちゃんのご登場に思わずすってんころりんしてして電柱に激突して上からカラスが落ちて僕をつついて逃げてった。
こんなすぐに会えるなんて思いもしなかった。まるで用意されたんじゃないかと思うくらい奇跡的だ。
うう…可愛らしい大きな瞳が心配そうに僕を……ってトド松かよ。キュンとして損したわ。テメェの瞳なんざ拝んでる場合じゃねえんだ!!
胸中で毒づきつつ、とりあえず素直に弟の手を取り立ち上がる。膝の汚れを払っていると女神達が声をかけてくれた。
「チョロ松くん大丈夫?なんにもないところで転んだけど」
「平気平気!」
「あのっ、怪我はありませんか?」
そうそう、たしかキミはこんな声だったね。
「ぜ、全然っ!心配してくれてどうもありがとう」
「よかったです…」
笑顔も写真のまんまだ。
懐かしいなぁ。
痛みよりも感動が僕の思考を満たしてゆく。
「松野先輩…」
のぞみちゃんがハンカチを差し出してきた。
「あのっ、大丈夫だよほんとに怪我なんてしてないから」
「でも涙」
慌てて目を擦る。
これは痛みじゃない。キミに会えたからだよ。
「ちょっと、砂的な汚れがねっ、砂的な!痛くはないから!ほんとにもう大丈夫だから!」
「そうですか?砂入ったら絶対に痛いですけど。無理しないでくださいね?」
心配されてるぅーー!!それだけで満足ぅーー!!