第3章 不純異性交遊?いやいや中身大人ですから
ひとりでこんな事態になるなんて思いもしなかった。ブラック工場で働いたり、死んで地獄行ったり、大抵何かあっても兄弟全員一緒だったのに。
そういえばこの間もこんな夢を見たような気がする。同窓会の後、妙に長い夢を——?
だめだ、なんか頭痛くなってきたから、この間の夢の話は置いておこう。
この年齢から人生やり直すのなんてごめんだし、今は意識が元の年代に戻る事を考えないと。
いやまてよ?むしろやり直したほうがいいのか?どうせ戻ったってニートだし童貞だし。
ポケットに隠し持っていた気持ちメーターを月明かりにかざす。
相変わらずマイナス振り切ってる。
……わかってる、本当は戻りたいんだ。
メーターを枕元に戻し、息をつく。
「へぶっ!?」
顔面に十四松の足が飛んできてはたき返した。
人が感傷に浸ってる時に臭い足飛ばしてきやがって。
「昔から寝相わりぃなぁ!?」
悪態ついても起きないし!
あー無理、思春期のこいつら憎さが3割増!
こいつらは若気の至りだか大人の階段だか知らないけど、荒れまくってて頼れる状況じゃない。自分1人でなんとかしなきゃ。
なんとかしてのぞみちゃんに会わないと。