第3章 不純異性交遊?いやいや中身大人ですから
よし、と決意を新たに立ち上がる。
こうなってしまった以上、やるしかないんだ。不純異性交遊を。
高3のうちに彼女と結ばれないと、僕の未来は切り開くことができない。
風紀を乱しても致し方ないよね。未来に帰るという至極真っ当な理由だからね。
「とりあえず、デカパン博士が相談に乗ってくれただけですごく助かったよ。ありがとう」
「少しでも力になれてよかったダス。念のためこれをチミに渡しておくダス」
デカパン博士の股間から取り出されたのは、手のひらサイズのメーターのような物だった。鼻をつまみ、テーブルに備え付けられていたアルコールで除菌して受け取る。
「これなに?」
「気持ちメーターダス。そのメーターの針は心の状態を表しているダス」
「なんか針が左に振り切ってるんだけど」
「真ん中のゼロが平常心、左は不安や怒りなどのマイナスな感情を、右は喜びや安心感などプラスの感情を表してるんダス。ワスの仮説が正しければ、メーターがプラスの最大値まで上がりきれば心残りが晴れてまた未来に帰れるはずダス!」
ってことは今の僕は絶望のどん底ってわけか。
心の状態が目に見えちゃうと、意識しすぎて逆に気負いそうなのですぐにポケットにしまった。
「わかった!やってみるよ」
「がんばるダス!」
手を振りラボを後にする。
ありがとうデカパン博士。
言い忘れたけどさ、博士のラボ、今はオンボロだけど将来はもう少し立派になってるからね。