第3章 不純異性交遊?いやいや中身大人ですから
「ひとつだけ忠告があるダス」
「な、なに?」
「強い未練でチミはタイムリープしてきたダス。だけど、過去を変えてしまえば、未来のチョロ松くんも変わってしまう可能性があるダス」
「なにそれ?じゃあ無事解決しても、タイムリープ直前の状態まで戻るわけじゃないの!?」
頷くデカパンの額には冷や汗が滲む。
背筋が凍りついた。
「怖がらせてすまないダス、でも言っておかないとこの先チミの将来にかかわるダス」
つまり、未来に戻れても、あの頃存在していた未来じゃない可能性があるって事だよな?
それってものすごく怖くない?
しかもこの世界から未来へ帰れる保証もない。
帰れないかもしれないし帰ってもあの未来ではないかもしれない。
こっっっわ!!??
「ね、ねぇデカパン博士。過去も未来も変えずに帰るのは無理なの?」
声が震えている。
「現時点では分からないダス」
デカパンは申し訳なさそうに弱々しく答えた。
「はは…そっか…」
ため息と共に項垂れる。
のぞみちゃんに会いたい気持ちと、恐怖で頭がぐっちゃぐちゃだ。
「チョロ松くんが未来に帰りたいならば方法はそれしかないダス。何故なら過去に戻ってしまったのはチョロ松くん、チミ自身が過去を変えたいと強く願ってしまったからなんダス」
いや待ってよ。僕そんな事願った覚えないんだけど。
懐かしいなぁって微笑んでいただけなんだけど。
と、否定したところで現状打破できるわけでもない。
デカパンが言ってることが本当ならば、他の誰でもない、自分自身が原因なんだ。
「ずっと——」
「ホエ?」
強い後悔、過去への悔恨が自分自身を苦しめてるんだ。
「憧れてたのかもしれない」
「チョロ松くん?」
「不純異性交遊に」
「ホエ…」
デカパンの目が半眼になった。