第3章 不純異性交遊?いやいや中身大人ですから
誹謗中傷を浴びせられる中、僕の意識の糸がプツリと切れかけた時だった。
「トト子!スカート!」
突然驚愕の声を上げる女子。そのすぐ後にトト子ちゃんの悲鳴が続きヨーヨーの攻撃が止んだ。
血を拭い恐る恐る目を開けてみる。
僕の目の前にトト子ちゃんの生足がある。そのトト子ちゃんのきめ細かい素肌に視線を縫いつけ、上へ、上へ。すると、スカートの裏で何かが蠢いている。
その正体は1匹のセミだった。
トト子ちゃんがスカートをパタパタさせて振り払うと、セミは羽音を発しながら校庭の方へ飛んで行った。
しんと静まりかえる廊下。
静寂の中、足音が響いた。
「チョロ松にいちゃん、セミを取ろうとしてたんだね」
駆け寄ってきたトド松の一言で周囲の空気が変わるのを感じた。
僕の醜態はセミによって誤魔化されたわけだ。
「よか…った…」
「チョロ松にい……にいちゃん!?死んじゃやだよぉ!」
いや死なないから早く目を覚ませ僕。
上手い事無罪放免になり安堵したせいか、僕の意識はそこで途絶えてしまう。
そして、夢から覚めると思いきや次は保健室のベッドだった。
まだこの世界は続くようだったので、僕は放課後デカパンラボへと向かった。
困った時のデカパンである。