第2章 純情スクイーズ
てなわけで、集合場所を公園に決め、2人で手分けして捜索開始。
私はファミレスまで戻り駅前を探すことにした。
同じ制服を何度も見かけたけれど、そこにトドちゃんの姿はなかった。友達に連絡したけど収穫ゼロ。交番にもいない。
途中会ったあつしくん達には過保護だね〜と笑われてしまった。否定は出来ないけど心配なものは仕方がない。
気ばかり焦って何も前に進まないまま、だんだんと日が傾いていく。街が暗くなるにつれ心細くなってきた。
もしかしたらもう家に帰っているのかも。
考えてみれば、目に入れても痛くなくあんなに愛らしいトドちゃんだけど、もう立派な高校生なんだから、迷子になって怪しいおじさんに連れ去られることはない…よね。
仮に怪しいおじさんに話しかけられたとしても、周りの人が助けてくれるはず。
うーん、やっぱり私って過保護?過保護というより心配性?
よし、前向きになろう。
松野家に行けばきっといる。
その答えに行き着き、私はチョロ松くんと約束していた公園へ戻ることにした。けれど戻ってみれば、既にそこには仲良く手を繋ぐ兄弟の姿があった。
「とどち……」
呼びかけた声が止まる。
お説教中であろうチョロ松くんの目つきは、不機嫌そうながらもどこか優しげで、そんなお兄ちゃんに叱られながら、トドちゃんは健気に手を結んでいる。
——やっぱりそうだよね。
離れたベンチへ腰掛け2人を眺める。安堵と主に、嬉しいような寂しいような、不思議な感情に襲われ唇を噛む。
トドちゃんにはあとで連絡して、今日はこのまま帰ろう。
「あ」
トドちゃんと目が合った。