• テキストサイズ

おそ松さん〜青春群像松劇〜

第2章 純情スクイーズ



てなわけで、集合場所を公園に決め、2人で手分けして捜索開始。

私はファミレスまで戻り駅前を探すことにした。

同じ制服を何度も見かけたけれど、そこにトドちゃんの姿はなかった。友達に連絡したけど収穫ゼロ。交番にもいない。

途中会ったあつしくん達には過保護だね〜と笑われてしまった。否定は出来ないけど心配なものは仕方がない。

気ばかり焦って何も前に進まないまま、だんだんと日が傾いていく。街が暗くなるにつれ心細くなってきた。

もしかしたらもう家に帰っているのかも。

考えてみれば、目に入れても痛くなくあんなに愛らしいトドちゃんだけど、もう立派な高校生なんだから、迷子になって怪しいおじさんに連れ去られることはない…よね。

仮に怪しいおじさんに話しかけられたとしても、周りの人が助けてくれるはず。

うーん、やっぱり私って過保護?過保護というより心配性?

よし、前向きになろう。

松野家に行けばきっといる。

その答えに行き着き、私はチョロ松くんと約束していた公園へ戻ることにした。けれど戻ってみれば、既にそこには仲良く手を繋ぐ兄弟の姿があった。


「とどち……」


呼びかけた声が止まる。

お説教中であろうチョロ松くんの目つきは、不機嫌そうながらもどこか優しげで、そんなお兄ちゃんに叱られながら、トドちゃんは健気に手を結んでいる。

——やっぱりそうだよね。

離れたベンチへ腰掛け2人を眺める。安堵と主に、嬉しいような寂しいような、不思議な感情に襲われ唇を噛む。

トドちゃんにはあとで連絡して、今日はこのまま帰ろう。


「あ」


トドちゃんと目が合った。

/ 52ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp