第2章 純情スクイーズ
そう来たかチョロ松くん。弟に詮索してるのをバレたくないらしい。ならば私も合わせてあげよう。
「のぞみちゃん、ほんとに?」
「全然。大した話してないよ?」
「ほんとかなぁ?」
コクコクと頷く。
ううっ、そんな澄んだ瞳で見つめないで。これが俗にいう良心の呵責。
「でもチョロ松兄ちゃんのおっきな声トイレまで聞こえてきたよ?お願いします!って」
「あ、あ〜!お願いされて相談のってたかも、うん、相談相談」
「なんの?」
「なんの!?……だっけ?あはは…」
頭の回転が遅い自分が情けなくなってきた。まずい、トドちゃんの表情が曇ってきた。
「……ボクに……何か隠してる?」
「恋愛かな、うん」
「高橋さんっ!?」
ごめんとこころの中で手を合わせる。
「えー?もしかして好きな子いるの?教えてよチョロ松兄ちゃぁん!」
ニコニコしながらトドちゃんは、溶けかけたバニラをつつきつつお兄ちゃんを覗き込む。
チョロ松くんは下を向いて拳を握りしめている。
「べつにいませんっ!僕は、か、簡単に人を好きになったりとかしないし、勉強第一だから恋愛にうつつを抜かしてイルジカンナンテナイシッッ!!」
「なんだよう。途中から声高すぎて何言ってるのか分からないよう」
「ぼ、僕の話はもういいでしょう!それに、トド松がいない時、僕は2人がなんで付き合ったのか聞いてたんだよ」
耐えきれなくなったのか、チョロ松くんは真実を打ち明ける。庇ったつもりが逆効果だったようだ。
「そうなの?のぞみちゃん?」
「あ、はは、恥ずかしくて誤魔化しちゃった。そうなの。ごめんね違うこと言って」