第2章 純情スクイーズ
ファミレスに入り窓際の席に案内されると、私はソファー席、トドちゃんとチョロ松くんは向かいの椅子に座った。
…いや、ちょっと待って。トドちゃんは彼女より兄の隣がいいの!?そこは彼女という肩書きを持つ私じゃないの?
「はいどーぞ」
嫉妬心に争いながらメニューを手渡す。
………ダメだダメだ。6つ子のみんなが入学当初から仲良しこよしだったのは分かってる。何を今更妬いてるんだろう。
心優しくさりげない気遣いも完璧な天使トドちゃんは、メニューを受け取ると私にも見えるように開いてくれた。
「ねぇねぇチョロ松兄ちゃん、なに食べるー?」
「…僕はそんなに長居しないし、ドリンクバーだけにするよ」
目を輝かせてメニューを眺めるトドちゃんとは対照的に、チョロ松くんは表情を曇らせている。
そんな2人のやり取りを眺めふと思う。
6人1セットだった仲良し6つ子。
入学当初はそりゃあもう注目の的だった。どこへ行くにも何をするにも全員一緒。
それなのに、その6人がつるんでいるのを最近見かけない。トドちゃんはチョロ松くんにべったりだけど。
なんというか、みんな不自然だ。意識して離れているように見える。いつからだろう?私がトドちゃんと付き合い始めた頃には既に——