第2章 純情スクイーズ
でも、そっか、そうだよね。私が…
「こんなんじゃ余計チョロ松くんを困らせちゃうよね。ごめんね」
「えっ?」
「だって、私ってころころ意見変えるし…」
「いや、べつに僕はそういうつもりでは…!そんな顔しないでくださいっ!すいませんすいませんすいませんすいません!」
ぶんぶんと頭を下げることにより発生した風に、またもや遊ばれる私の前髪。こちらもぺこぺこと返す。
「私こそ、そんなに謝らせてごめんなさい!」
「僕がしっかりしてないばかりにすいませんすいません!」
「私が甘やかしちゃってごめんなさい!」
「そんなことありませんすいません!」
「こちらこそごめんなさい!」
「ちょっとぉ!2人ともボクの為に謝らないで!」
見かねたトドちゃんが仲裁に入る。
「いつまでやってるの?もう一緒に帰ろうよぉー!」
そして、私たち2人の間に入り手を結ぶ。ぷにぷにおてての弾力に我に返る。
「あ…トドちゃんごめんね、つい自分が不甲斐なさすぎて…」
「僕も取り乱してしまいすいません」
「2人は——」
トドちゃんは言葉を詰まらせながら、俯きがちにゆっくり口を開いた。
「…ボクが一緒にいるの迷惑…?」
エンジェル…?
「な、ない!迷惑なんかじゃない!!もう帰ろう!パフェでも食べて帰ろう!!」
「チョロ松兄ちゃんは?」
「僕…は、高橋さんが迷惑じゃないならべつに」
「よかったぁ。じゃあチョロ松兄ちゃんも一緒にかえろ!」
無邪気に私とチョロ松くんの腕を引く。こんな天使を少しでも傷つけた自分に腹がたつ。デートしながら甘いもの食べて心の傷を…って、チョロ松くんいるってことは今日は2人でデートじゃないのか。
「うんうん、もう何松くんがくっついてきてもトドちゃんがいればそれでいいよ行こう!」
「なんですかその言い方!?」
こうして、学校帰りに3人でファミレスに寄る事となったのだった。