第2章 2年生 不登校
明日からちゃんと来いよ、と伝えて電話を切ると、大野先生ぎ不思議そうにこちらを見ていた
「2人と連絡ついたの?」
「あ、はい
完全に忘れてたらしいです。2人で桜木の家に泊まってたらしくて…」
「まじか、2人らしいな」
とりあえず良かったな、とふにゃっとした笑顔を向けられようやく肩の力が抜けた
翌日になると2人はしっかり登校し元気な姿を見せてくれたので安心していたが、1ヶ月もするとまた連絡もなく欠席した
今度は2人で、ではなく吉岡だけだった
もう学校は始まっているので忘れているはずも無いし、桜木に確認をすると何も聞いてないと言う
しかし吉岡のことを聞かれた桜木は落ち着きがなく、話を早く切り上げようとしているように見えた
もう良いですか?と言うと急いで俺から離れようとするので慌てて呼び止める
「桜木、本当に吉岡のこと何も知らないんだよね?」
「…知らないよ、先生」
そう言った彼女の瞳が少しうるんでいるようにも見えたが、これ以上聞いても何も答えてはくれないだろう
「そう、分かった…
俺も確認するけど、桜木も連絡してみてくれる?」
なるべく優しく声をかけると小さくうなずいたので、お願いね、と笑顔を見せた
桜木の反応を見る限り、おそらく何かを知っていると思う
もしかしたら始業式の日も忘れた、なんて言っていたのは言い訳で2人で何か相談していたのかもしれない
もしくは、吉岡の見に何かがあって桜木の家に逃げていたのかもしれない
その夜に吉岡の家に連絡を入れると誰も出なかった
ご両親は夜に家を留守にするような仕事では無いはず
何も連絡が無いことや昼間の桜木の様子から嫌な予感が止まらなかった
ただ、1年生の頃に2人から聞いていた話や三者面談の様子を見る限り、家族仲に問題があるようには見えなかった
そして翌日から、吉岡も桜木も学校に姿を見せなくなり、何度電話をしても家族とすら話すことが出来なくなった