第4章 工藤邸
「貰っていいんですか?」
沖矢「良いからお渡ししたんですよ」
「ありがとうございます。大切にします」
は手渡された合鍵をぎゅっと強く握り締めた。
沖矢「お茶を煎れてくるのでさんは読書を楽しんでいてください」
「ありがとうございます」
しばらくしてマグカップを2つ持って沖矢が書斎に戻って来た。
沖矢「はい、さんには少し甘めのミルクティーを用意しました。お好きでしたよね」
沖矢は可愛い花柄のマグカップをに差し出した。
「覚えていてくれたんですか?前に1度話しただけなのに」
は笑顔でマグカップを受け取る。
沖矢「愛している女性の事は1度聞いたら忘れませんよ」
沖矢は持っていたコーヒーを1口飲んだ。
「こんなデートもいいですね」
は読んでいた本を横に置いてミルクティーを飲む。
沖矢「僕はさんと一緒なら何でも楽しいですよ。さんがいつでもここで読書出来るように机と椅子を増やしておきますね」
「そんな、悪いです。床に座って読むから大丈夫です」
沖矢「僕が用意したいからするんです。大切な彼女を床に座らせておきたくないですから」
それから日が暮れるまで2人で読書を楽しんだ。