第4章 工藤邸
沖矢「着きましたよ」
「工藤…。もしかして家主って工藤優作さん?」
は表札を見て驚いている。
沖矢「ええ、そうですよ。お知り合いでしたか?」
「知り合いではないけど知ってます。闇の男爵(ナイトバロン)読んでましたから。米花町に家があるのは知っていましたが、ここだったんですね。じゃあ、昴さんは新一君と住んでるんですか?」
沖矢「いえ、新一君は探偵業が忙しく長期不在中なんです。その間私がお借りしているんですよ」
「そうなんですね。有名な作家さんの家に入るなんて緊張しますね」
沖矢「今は私の家ですから緊張しないで下さい」
沖矢は玄関のドアを開けてに中にはいるように促す。
「お邪魔します」
沖矢「お昼御飯食べましょうか?カレーを作りましたので。さんは適当に座っていて下さい」
沖矢はキッチンに向かった。
は言われるまま近くの椅子に座る。
しばらくして2人分のカレーを持って沖矢が戻ってきた。
「昴さん、料理出来るんですね」
沖矢「男の独り暮しですからね。それなりには出来ますよ」
「いただきまぁす」
沖矢「いただきます」
昼食後2人は書斎に向かった。
「うわぁー、凄い!本当に本の壁だぁ。上の方の本のどうやって取るんだろ」
は見渡す限りの本棚に目を輝かせる。
沖矢「上の方は階段型の脚立に乗って取るんですよ。これ全部ミステリーの本なんですよ」
沖矢は部屋の隅に置かれている階段型の脚立を指差す。
「ミステリー好きにはたまんないですね。コナン・ドイル様にアガサ・クリスティに江戸川乱歩もある」
は子供のようにはしゃいでいる。
『さんにはこんな1面もあるんですね。可愛すぎます』
沖矢「気に入っていただけましたか?」
「はい。何時間でもいれそうです。初版本や今ではなかなか手に入らない貴重な本もあって、まるで宝の山です」
沖矢「さんなら絶対に気に入ると思いましたよ。いつでも読みに来て下さい。これ合鍵です」
沖矢は事前にコナンに貰っていた合鍵をに手渡した。