第18章 安室の記憶
ミスティア「んっ…」
唇の隙間から入ってくるジンの舌に思わず声が漏れる。
ジン「そんな声出すなよ。今すぐ抱きたくなるだろ」
ミスティア「そのつもりで呼び出したんでしょ?」
ジン「察しがいいな。上に部屋を取ってある。朝までたっぷり可愛がってやるよ」
ミスティア「期待してるわ。もう抵抗したりしないから妙な薬は使わないでね」
ジン「それはお前の態度次第だ」
ミスティア「わかったわ。今回はもう抵抗したりはしないから安心して。ちゃんと覚悟を決めてきたから」
ジン「今夜は楽しめそうだ」
ジンは厭らしい目付きで舐め回すようにを見る。
安室「さん浮気はダメですよ」
安室は記憶が戻っていない振りを続ける。
ミスティア「安室さん、大丈夫だから心配しないでください」
ジン「バーボン、俺の顔に覚えはないか?」
ジンが安室を睨むように見る。
安室は後部座席のジンをバックミラー越しに見る。
安室「全く見覚えがありませんね」
安室は記憶が戻っていることをジンに悟られないように表情を変えずに言う。
ジン「そうか、ならお前に用はない。この女を置いて今すぐ帰れ!」
ジンは車から降りると助手席のドアを開けて手を差し出す。
ミスティア「安室さん、この事は誰にも言わないで下さいね」
はにっこり微笑むと車から降りてジンの手を取った。
安室は心配そうな顔で2人がホテルへと続くエレベーターに乗り込むのを見届けてから車を発進させた。