第14章 記憶のカケラ
次の日、沖矢昴は朝早く出掛けて行った。
が起きた時には沖矢はもう居なかったが、キッチンにはと安室の分の朝食が用意されていた。
「朝早いのに私と安室さんの朝食までちゃんと用意してあるなんて昴さんはやっぱりマメだなぁ」
はコーヒーを煎れながら安室が起きてくるのを待った。
コーヒーの香りが部屋に漂う頃に安室が起きてきた。
安室「さん、おはようございます。具合はもう良いんですか?」
安室は心配そうにを見つめる。
『秀一さん、安室さんにも私が具合悪かった事にしてたんだ…』
「ご心配ありがとうございます。もう大丈夫です。一応今日も大学は休みますけどね」
は2人分のコーヒーをテーブルに運ぶ。
安室「2人分ですか?沖矢さんは?」
テーブルの上に2人分の朝食しかないのを見て安室は不思議そうにしている。
「昴さんは大事な用事があるみたいで、朝早くに出掛けました。夜には戻ってくると思いますよ」
安室「じゃあ、それまでは僕がさんを独占出来るわけですね」
「そう言うことになりますね」
安室「さんとゆっくりと話をしてみたかったんですよ。いつもは沖矢さんが目を光らせているからなかなかゆっくりと話せませんでしたし」
「昴さんが戻るまでは家に帰らないのでそれまではゆっくり話せますね」
安室「だったら戻らなくて良いですね。そしたらずっとさんを独り占めできますから」
安室はを抱き締める。
「あ、安室さん…。朝ご飯食べましょ。コーヒー冷めちゃいますから」
安室「そうですね。焦らなくても時間はまだまだありますしね」
2人で仲良く朝食を食べた。