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偽りの中の真実【R18】

第11章 もう1人の自分


がポアロを覗くと沖矢がいた。

は深呼吸をしてからポアロのドアを開けた。


沖矢「いらっしゃいませ……ってさん!どうしたんですか?今日はお休みのはずでは…」

「昴さんの顔が見たくなって来ちゃいました」

沖矢「それは嬉しいですね。何か飲まれますか?」

「ううん、昴さんに聞きたい事があるの?だから昴さんの家で待ってていいですか?」

沖矢「もちろん!終わったらすぐに帰りますから待っていて下さい」

「はい。待ってます」


は1度自宅に帰り、合鍵を手にして工藤邸に向かった。




数時間後、バイトを終えた沖矢が帰ってきた。

沖矢「さん、お待たせしました。僕に聞きたい事って何でしょうか?」

「正確には赤井さんになんですけど…」

沖矢「僕の姿では話しにくいですか?では少し待っていて下さい」


沖矢は自室に行き、変装を解いて服も着替えて、声も変声機のボタンを押して戻し、赤井秀一の姿になってリビングに戻ってきた。


赤井「待たせたな。俺に聞きたい事とは何だ?」

「赤井さんが昴さんになった経緯はこの前聞きました。私に全部話してくれて嬉しかったです。昴さんと私は恋人同士です。赤井さんにとって私はどんな存在ですか?」
はいきなり本題を切り出しにくく、少し遠回りな質問をした。

赤井「俺にとってもは大切な恋人だ。姿や声は違えど心は変わらない」

「しゅ…秀一さん…」

赤井「前にも言ったが無理して名前で呼ばなくていい」

「無理じゃないんです。言い慣れないから恥ずかしかっただけです」
は顔を真っ赤にしている。

赤井「付き合い始めた頃に戻ったみたいだな。そんな可愛い顔をするな」
赤井は両手での顔を支えると軽く触れるだけのキスをした。

「秀一さん…」
は突然のキスに驚いて固まっている。

赤井「可愛い顔をするが悪い、本当は食べてしまいたいが、まだの気持ちを聞いてないし話も聞けていない。俺がをどう思ってるかが聞きたかったわけではないだろ」
赤井はをじっと見つめる。
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