第9章 ポアロでバイト
翌日から過保護かって言うくらい四六時中の側にいる沖矢。
登下校も一緒。授業も選択科目が同じだからほぼ一緒。お昼を食べるのも一緒。極めつけはトイレまで一緒。さすがに沖矢は中まで入りはしないが、が出てくるのを入口で待っている。
『昴さんと一緒なのは嬉しいんだけど、さすがにここまで一緒だと周りの目が気になるよ。友達からは束縛され過ぎじゃない?って心配されるし…』
「昴さん、数日間何もなかったし護衛はもういりませんよ。ずっと昴さんが側にいたら友達と女子トークも出来ません」
沖矢「さん専属のSPのつもりだったんですけどね。でも確かに何も無さそうですし次のポアロのバイトまで何もなかったら護衛はしなくても良さそうですね。僕としてはずっとさんの側にいられなくなるのは淋しいですけど」
「約束ですよ」
はにっこりと微笑んだ。
次の休日。
沖矢が安室の替わりにポアロでバイトする初日。
沖矢のバイト初日と言うことで梓さんが気を効かせて沖矢とのシフトを同じにしてくれていた。
「おはようございます」
沖矢「おはようございます」
2人はドアを開けて中にいた梓に挨拶をした。
昼のピーク前だったから客は誰もいなかった。
沖矢「沖矢昴です。安室さんの替わりに来ました。安室さんのようにはいきませんが、よろしくお願いします」
沖矢は営業スマイル全開で梓に挨拶した。
梓「よろしくお願いします。じゃあちゃん、後よろしくね」
顔合わせを済ませた梓は閉店には来るからと言って帰って行った。
『しばらくは昴さんと一緒のシフトかぁ。昴さんが慣れるまで開店と閉店は梓さんがやってくれるみたいだから、私は基本的な事を教えたらいいんだよね。料理上手な昴さんだから教えることは少なそうだけど…』