第7章 ノック疑惑再び
自白剤を射たれたバーボンはジンに聞かれるまま、自分が公安の降谷零であること、安室透という偽名を使って身分を隠していたこと、沖矢昴が赤井秀一の可能性があることなどを話した。
ジン「バーボン、やはりノックだったんだな」
ジンがバーボンに銃口を向ける。
ベルモット「待って!ジン。自殺に見せ掛けるならともかく射殺となれば、身内を殺された警察は大騒ぎするわ。命を奪うだけがバーボンを消す手段ではないわ。試したい薬があるの。海馬の働きを停止させ人為的に記憶喪失を作れる薬」
ベルモットはカプセルを口に入れると口移しでバーボンに薬を飲ませ、首にを連れ去る時に射った物と同じ睡眠薬を注射した。
ジン「女の態度次第だが、俺もこの女に開発中の薬を試してみるかな」
ジンはの頬を何度か強く叩いた。
「…んっ……」
頬への痛みで目を覚ましたは周りを見渡した。
「ここは…どこ?…安室さん!!大丈夫ですか?」
は隣の椅子に縛り付けられてぐったりとしている安室に声を描ける。
ジン「死んじゃいないさ。ただもう2度と安室透には会えないがな」
「どう言うことですか?」
ジン「こいつはお前を守るために俺達の言いなりになり全ての記憶を失った」
「………」
あまりのショックには言葉が出ない。
ジン「俺達に協力するならこいつは逃がしてやる。どうする?」
「協力します。何でもします。だから安室さんを助けて下さい」
ジン「なら沖矢昴について知っていることを全て話せ」
「昴さんに何かするつもりですか?」
ジン「答える必要はない」
「………なら私も答えません……」
ジン「なら安室透はこのままだぞ」
「安室さんが私を守ってくれたように私も昴さんを守りたい!だから答えません!」
はジンを睨み付けた。