第10章 喧嘩はグーに限る
「あ…もしかして多串君か?アララ、すっかり立派になっちゃって。何?まだあの金魚デカくなってんの?」
多串君って誰だよ
「オーーーイ!!銀さん早くこっち頼むって」
「銀、呼ばれてるわよ」
「はいよ。じゃ、多串君と優。俺仕事だから」
「頑張ってね〜」
「行っちゃいましたよ。どーしやす多串君」
「どーすんすか、多串君」
「誰が多串君だ!あの野郎…わずか二、三章で人のこと忘れやがって…総悟、ちょっと刀貸せ」
あれ、この人何するつもりだ?
隣の優香さんも訝しげに見てるよ、若干目が冷たいよ。
「蘇芳、俺達は別の所から見物しやしょう」
「そーだね。優香さんもどう?」
「んじゃ、私も。色々聞きたいこともあるし」
「俺は彼女いない歴イコール年齢ですよ?」
「そういうこと聞きたいんじゃないから」
あれっ?違うの?残念だなぁ…
土方さんと銀髪の侍の決闘がよく見える場所、というか建物の屋根に俺たちは移動すると高みの見物を始めた。
「おっ、総悟ー!蘇芳ー!そこで何してんだー?」
「あ、近藤さん!近藤さんもどうですー?土方さんと銀髪の侍の決闘が見れますよー!」
俺が誘えば「面白そうだな」と近藤さんも登って来た。
さーて、どっちが勝つかなぁ