第10章 喧嘩はグーに限る
結局、決着は土方さんの刀が叩き折られたことで終了した。
うひゃー、銀髪の侍強えー!これからは旦那って呼ぶことにしよう。
まぁ、俺的に驚いていたのは銀髪の侍を見ながら「アイツ…隙が多かった」とボソッと呟いてたことかな。手厳しいな…
「フフ…面白れぇ人だ。俺も一戦交えたくなりましたぜ」
「やめとけ総悟、お前でも厳しいぞ」
近藤さんが総悟君を制止しているところを優香さんは横目で見ていたと思えば口を開いて話し出した
「アイツは目の前で刃を合せていても、全然別のところで勝手に戦ってんのよ…勝ちも負けも、浄も不浄も超えたところでね……」
「へぇ…」
「まぁ、普段は馬鹿なんだけど」
辛辣だ…でも心の底から旦那を信用しているんだなって伝わってくる。
「そうかそうか!そういえはお嬢さんはアイツとはどんな関係なんだ?」
「……私の兄貴よ、義理だけど」
へへぇ…義理のやお兄さんなんだ…容姿とか似てるんだけどなぁ…なんて考えてたら優香さん既にいなくなってた。早くない?
「あのお嬢さん、なかなかいい女だな。身も心も。蘇芳が惚れるのも分かるぞ!俺には」
「でしょでしょ〜!必ず落としてみせますよ」
「だが一筋縄じゃいかなさそうだな。隙がねぇ」
「それが問題なんですよね〜…まぁなんとかなりますよ」
結ばれるその時まで、俺は粘り続けるつもりでいるから……
覚悟してくださいよ!!優香さん!
「(……なんか寒気がした…気のせいかな)」