第10章 喧嘩はグーに限る
「そうだ、土方さん。この姉さんにその銀髪の侍になってもらって連れ帰りゃいいじゃないですか。ホラ、これ持ちな」
「え?」
さり気なく優香さんに木刀渡して銀髪の侍に仕立て上げようとする総悟君。
何してんだよ君はァァァァ!!優香さんに何やらせようとしてんだコラァァァァ!!
「オイお前、その木刀でそいつの頭かち割ってくれ」
「総悟君、彼女にそんな真似させちゃダメだから」
「おーい、兄ちゃん達危ないよ」
上から誰かの声が聞こえたかと思えば、木材をまとめたものが落ちてきた。うわっ、危なっ
木材がぶち当たりかけた土方さんは木材を落としてきたやつに怒鳴り散らした。
「あっ…危ねーだろーがァァ!!」
「だから危ねーっつったろ」
「もっとテンション上げて言えや!分かるか!!」
「うるせーな。他人からテンションのダメ出しまでされる覚えはねーよ」
「確かに」
「オメーも納得してんじゃねーよ!」
いや、一理あるぜ?俺は普通に聞こえたけど聞こえてなかったのアンタじゃん…あの人に落ち度は……いやあるにはあるな。
「って、あー!この間の…」
「あ、銀。丁度いいところに来たわね」
「ああああ!!!テメェ…池田屋の時の…どんだけあの時の奴と遭遇しなきゃいけねーんだよ」
「俺としては万々歳だな」
「うるっせぇよ」