第10章 喧嘩はグーに限る
「会議中に私語した奴ァ切腹だ、俺が介錯してやる。山崎…お前からだ」
「え“え"え"!?俺…何も喋ってな…」
「喋ってんだろーが現在進行形で」
「おーい、理不尽すぎやしねぇかぁー?土方さーん」
「元はと言えばお前がそれ傍観してたのが悪りぃんだろーが!!止めろよ!!」
「いや意味わかんねーよ、男の決闘止めたらアンタの首がチョンパだぜ?」
「それはテメェの願望だろォォォォ」
刀を振る真似をする俺と怒鳴る土方さん。
そこへ頬が殴られて少し腫れた状態の近藤さんが何事もなかったかのように入ってきた。あ、でもそんなもんで済んでるんだ……
「ウィース。おお、いつになく白熱した会議だな。よ~~し、じゃあみんな。今日も元気に市中見廻りに行こうか」
「お、近藤さん。それ程頬腫れてないっすね」
「おうよ!昨日のお嬢さんのおかげだな!!」
「いや、お嬢さんつーかお姉さんですよね。あの年は。あの人多分二十歳ですよ」
「細かいことは気にするな気にするな!」
俺と近藤さんだけが知っている話をしていたら土方さんのため息が聞こえた。別にどうってことないし、気にもしてないけど。