第9章 シツコイのは嫌われる原因
《優香目線》
「クク…い〜男だなお前、お妙さんが惚れるはずだ。いや…女子より男にモテる男と見た」
何だそれ…それはそれで如何なものかと思うけど
「てめーもいい男じゃねーか。使え、俺の自慢の愛刀だ」
「銀!!これ使いな!!」
男は自分の刀を投げ捨て、銀は自分の木刀を渡す。そして、私は今日たまたま持っていた木刀を銀に投げ渡した。
「勝っても負けてもお互い遺恨はなさそーだな。」
「あぁ、純粋に男として勝負しよう」
「いざ!」
「尋常に」
「「勝負!!」」
おぉ!!始まった始まった!!
と、思いきや男の使っていた木刀が振っただけでボッキリ折れた。
「ちょっと待て、先っちょが…ねェェェェェェェェェェェェェェェ!!」
悲痛な叫びをあげる男、容赦無く男を木刀でぶん殴る銀。呆れる私と新八君と神楽ちゃん、そして着流しを着た男。
一言言わせてもらおう。
何処が「尋常」なんだよオイコラァァァァ!!!
「甘ェ…天津甘栗より甘ェ。敵から獲物借りるなんざよォ〜、トイレで削っといたその木刀。ぶん回しただけで折れるぐらいな」
「貴様ァそこまでやるか!!」
「こんな事で誰かが何を失うのは馬鹿げてるぜ。すべて丸くおさめるにゃコイツがいつが一番だろ」
「コレ……丸いか…?」
そう言ってから男は気絶し、銀の腐れ馬鹿天パは勝ち誇ったように笑ってる。そして着流しを着た男はハッとしたように絶叫。
「近藤さァァァァァァァァん!!!?」
「神楽ちゃん、新八君」
「何ですか?」
「何アルか?」
「あの天パフルボッコにしてきな、あと有給休暇あげる」
「分かりました」
「分かったヨ」
2人は私がいうと一目散に銀の元に行き、殴りや蹴りをお見舞いしに行った。私はというと救急道具を持って気絶した男の元へ寄ると消毒液とカット綿で殴られたところを手当てを始めた。
「まったく…あの馬鹿天パ…」
「……ッッッ、イッデデデデデ!!ししし、沁みるゥゥゥゥゥ!!」
「我慢してください。今ちゃんとしないと後で晴れてもっと痛くなりますよ」
大人しくしてろ。言っとくけどお前も馬鹿だよ