第9章 シツコイのは嫌われる原因
《蘇芳目線》
土方さんの命令で近藤さんを探しに河原までやってきたはいいけど、全然見つかんねぇ〜…何処にいるんだ?
私服姿に笠を被って探していれば、橋に人だかりができてる。何だ?
俺はその人だかりに近寄ってその中の1人に話しかけて見た。あ、このお姉さん美人さんだ。
「んー?何これ…なにが始まんの」
「決戦だって……」
「へぇ〜……」
「「……ん?」」
あーれれー?なんか聞いたことのある声だなぁ…何処で聞いたんだっけ…思い出せねぇな……
「長い奴め…あ、来た!遅いぞ!大の方か!?」
んんん?こりゃまた聞いたことある声が…………
って近藤さァァァァん?!何してんのアンタァァァァ!
つーか大声で何言ってんの?!ねぇ?!
「…あの人…」
「あんたの知り合い?」
「えぇ、まぁそんなところです」
知り合いっつーか上司です、俺んとこの職場の上司です。
「ヒーローが大なんてするわけねーだろー、糖の方だ」
アンタも何言ってんだよ、ハッキリ言うことじゃねーだろそれ。
「糖尿に侵されたヒーローなんて聞いた事ねーよ!…得物はどーする?真剣が使いたければ貸すぞ、お前の好きにしろ」
「俺ァ木刀で十分だ、このまま闘ろうや」
「舐めてるのか貴様」
「別に舐めてなんかねェ、ただ俺が人の人生賭けて勝負できるほど大層な人間じゃねェだけだ。代わりと言っちゃなんだが俺の命賭けてやらァ」
へぇ……カッコいーい
「おーおー、あの男一丁前に物申すなぁ…」
何というか、近年稀に見る強い魂持ってる侍だな。