第9章 シツコイのは嫌われる原因
「オイ!奴はまだトイレに行っているのか!?」
「はい、そうみたいです」
「いや、長すぎるでしょ…」
何十分トイレに篭ってんだよ…これはアイツ、何か仕組んでるな……
セコいことしたらその場で殴り倒すことが私の中で決定した瞬間だった。
「んー?何これ…なにが始まんの」
突然紺色の着流しを着て笠を被った男が声を掛けてきた。
「決戦だって」
「へぇ〜……」
「「ん?」」
ちょっと待って?この声どこかで聞いたことが…何処だっけ……!
「長い奴め…あ、来た!遅いぞ!大の方か!?」
そう言うこと大声で言うなよ……アホかあの男…
「…あの人…」
「あんたの知り合い?」
「えぇ、まぁそんなところです」
「ヒーローが大なんてするわけねーだろー、糖の方だ」
この馬鹿もホント何をいけしゃあしゃあと言ってんのよ、アイツは…あの馬鹿は…
「糖尿に侵されたヒーローなんて聞いた事ねーよ!…得物はどーする?真剣が使いたければ貸すぞ、お前の好きにしろ」
「俺ァ木刀で十分だ、このまま闘ろうや」
「舐めてるのか貴様」
「別に舐めてなんかねェ、ただ俺が人の人生賭けて勝負できるほど大層な人間じゃねェだけだ。代わりと言っちゃなんだが俺の命賭けてやらァ」
「おーおー、あの男一丁前に物申すなぁ…」
銀の奴、たまにはかっこいいじゃないの…流石は白夜叉