第7章 攘夷集団とチンピラ警察
《優香目線》
「あー、最悪っ…」
私達は何とか隠れられる場所に逃げ込むことができた。
つーか思いっきり胸触られたんだけど!!最悪なんだけど!!
「どうすんのよ、ここ15階よ?逃げ道ないわよ?」
「…はぁ、仕方あるまい。これを使おう」
「何それ」
コタは懐から球体を取り出した。なんかタイマーみたいなものがついてるけど…まさか時限爆弾!?
「時限爆弾だ」
「やっぱりか……」
「ターミナル爆破のために用意していたんだが仕方あるまい、コイツを奴等におみまいする…そのスキに皆逃げろ」
ターミナル爆破って……無謀にもほどがあるでしょ。
私が呆れ返っていると銀はコタの胸ぐらを掴んだ。コタの部下は銀にキレて怒鳴ったが私は冷たい目線でそれを制した。
コタが天人を追い出したいのは私にだってわかる。でもテロなんて起こして薄汚れたら何の意味もない。
2人を言い合いを聴きながら私はそう思う。
お膳立てされて見栄え良く整えられた武士道なんて必要ない。自分の守りたいものを守ることが大事なんだ。
「銀ちゃん、優香姉」
「ん?なに?」
「コレ…弄ってたらスイッチ押しちゃったヨ」
「「「……」」」
コレというのは時限爆弾のことで、時限爆弾の動き始めたタイマーが現実を突きつけてきた。