第5章 夜兎の少女
こんのパンチ野郎共め…
「……おい、お前ら」
「ん?おいおい〜美人さんがそんなドスの効いた声出しちゃいけない」
「キモいわァァ!!こんのパンチ野郎がァァ!!」
許可なく私の方に触れるパンチパーマ野郎。
怖気が走るわ触んなァァ!!
私は怒り任せに背負い投げかまして関節技をきめる。
私は悪くない、正当防衛だもん。正当防衛だもん!!
「……見たかお前ら。パンチパーマでヤクザのお前らが私の許可なく私に触れれば、この男の同じ目に遭うぞ……あと許可なく喋ることも許さん」
「え、ちょ、それパンチパーマでヤクザの人への偏見じゃね?!」
「勝手に喋んなっつってんだろ…偏見もクソもないわ、ミンチにされたい奴からかかってこい」
知るか、ヤクザのくせして私1人にビビってんじゃねーぞコラァ。
ていうか、女1人にガン飛ばされて狼狽えるヤクザって何?コイツら何?マジで何?
「バカですかァァ?!お前らは!!たかが女にガン飛ばされたぐれぇで怯んでんじゃねーよ!」
「は?バカですかアンタ?たかがって何だコラァ、女の事舐めてると関節決めるだけじゃなくて老後バッキバキに痛んで歩けなくすんぞ」
この時点で私は思った。
あ、私って喋るとヤクザ以上にヤクザじゃん…気をつけよう、そうしよう。
まぁこの場合は不可抗力だから仕方ないよねっ
「きぃやぁあああああああ!!」
なんかとてつもない叫び声が聞こえた、しかも知っている人の声だし上の方から聞こえるし…何事?
私が目線だけをキョロキョロさせているとパンチパーマの頭の背後で駅のホームの屋根に穴が空いてた。どうやらゴミバケツに入っていた2人が落ちてきていたみたいだ。
いや、何で上から?!
あ、よく見ると線路の所にスクーターに乗った銀がいるから多分2人を打ち上げたんだ。そう考えることにしよう…って線路に入っちゃダメでしょ!!