第3章 ペットの扱いには気をつけなさい
「おい、落ち着け優香」
冷静さを失いかけていた私は銀に叩かれたことで何とか失わないで済んだ。あ…危なかった……。
「…ありがと銀」
「気にすんな…どうやら幕府は本当に腐っちまったみーだな」
「腐ってようが俺たちは俺たちのやり方で国を守る。それが俺なりの武士道だ」
「クク、そうかい」
銀は軽く笑ってから、「俺は俺の武士道を貫く」と言いハゲ川の銃を蹴り上げるとペスに向かって駆け出した。
「たった1人の人間と一国…どっちが大事か考えろ!」
「五月蝿いわねぇ…ちょっと黙れハゲ、お前はお前の武士道貫いてりゃいいのよ」
私は私で蹴り飛ばされたハゲ川の銃を奪うと銀に続いてペスに駆け出した。
そして私たち2人は別方向に分かれてペスに食べられないように頑張っている新八君に向かって叫びながら突進をする。
「新八ィィィ!!」
「気張りなァァ!!」
「気張りなって言われたって…どちくしょぉぉお!!」
私は容赦なく銃撃をペスの目に浴びせ怯ませ銀がその間に接近をする。
「俺は自分の肉体が滅ぶまで背筋伸ばして生きてくだけよっ!!」
「幕府が滅ぼうが国が滅ぼうが、私らには関係ないもんね!!」
急接近を果たした銀はそのままペスの口の中に入った。
あっ…嫌な予感がするわ、逃げよっ。
ペスの体の上からジャンプして地面に着地すると、デカイタコ足を一本持ち上げて傘がわりにした。
その刹那、ペスの血の雨が降り注いだ。あー、危なかった…