第3章 ペットの扱いには気をつけなさい
「手ェ出しちゃダメだって!無傷で捕まえるように皇子に言われてんだ!!」
「はぁぁ?!」
「無傷?できるかァそんなん!!」
何を無茶苦茶なこと言ってんの?!できるわけないでしょうが!!
「あのねぇ!私たちは何でも屋だけど未確認生物捕獲する仕事やってないのよ?!分かってんの?!」
「そこを何とか頼むよ!」
「無理、無理!無理だって!」
専門業者を雇えよ!!私らみたいなのじゃなくて!!あんなの相手にしてたら命がいくつあっても絶対に足りない!!
抗議しようと思ったら新八君の叫び声が聞こえてペスの方に目を戻した。
「あっ…新八君!!」
「新八ィィ!!」
あんのタコ!うちの従業員に手を出して…!
助けに行こうとペスの方へ走り出そうとすれば銃口が私たちに向けられた。ハゲ川泰三か…!
「勝手なマネするなって言ってるでしょ」
「テメェ…」
「無傷で捕獲なんざ不可能なこと百も承知だよ、多少の犠牲が出なきゃバカ皇子は分かんないって」
コイツ…!最低だ…!これだから幕府の連中は気にくわない、嫌いなのよ!
気づけば私は振り向いて長谷川に懐刀の歯を向けてた。
「おい優香!」
「あの化け物を処分するための許可を下ろすために私らを餌に使うつもりだったんだ……これだから幕府の下衆は嫌いなのよ」
「言っただろお嬢ちゃん、俺達は奴らと共生していくしかないんだってば…」
「言ったでしょ幕府の人間、『幕府のケツは幕府で拭け』って…犠牲出すならお前らの中で、死ぬならお前らが死ねって言ってんのよ…」