第3章 ペットの扱いには気をつけなさい
私達は入国管理局の局長、長谷川泰三の仕事の依頼により立派な黒塗りの車に乗せられた。
「入国管理局の長谷川泰三っていったら天人の出入国の一切を取り締まってる幕府の重鎮スよ、そんなのが一体なんでしょう」
「何の用ですか?おじさん」
「面倒な予感しかしないんだけど」
嫌な予感しかしないんだけど、帰りたいんだけど。
「万事屋っつったっけ?金さえ積めばなんでもやってくれる奴がいるって聞いてさ、ちょっと仕事を頼みたくてね」
え、幕府いつ仕事してたの?
「仕事だぁ?幕府仕事なんてしてたのか、町見てみろ。天人共が好き勝手やってるぜ」
「ついでに言うと宇宙生物も侵入してきてまたとか大変になってんのも分かってんの?」
分かってないんだったら相当無責任だぞこいつら、潰すぞマジで。
ま、幕府なんて大方その程度だろうとは思ってるけど…自分達に富を与えてくれる奴らを崇めてそいつらによる迷惑行為に目を瞑る…
いてもいなくても同じじゃないの?
「こりゃ手厳しいね、俺達もやれる事はやってるんだがね」
江戸の町がここまで進歩したのは天人のおかげ、この地球を気に入っているから多少のことは目を瞑れ…。
そんな幕府の連中がよく言う言葉をツラツラ並べるこの男…。所詮は幕府の人間、嫌いだ幕府なんて。