第2章 万事屋銀ちゃん
その後もへんちくりんな役に立たない弁解を試みるが、火に油を入れる行為だったらしく更に袋叩きにされる銀を遠くから傍観している私。
見てるこっちが痛いよ…はぁ…
「姉上…やっぱりこの時代に剣術道場やってくなんて無理だよ。この先感が復興するなんてことはないし、こんな道場守ったところで僕ら何も……」
「損得なんて関係ないわよ?親が大事にしていたものを子が守るのに理由なんてないわ」
あらかたボコボコにし終えたのかそれとも気が済んだのか、2人は道場の事について話していた。
妙さんの言い分も最もだけれど、新八君のいうことも間違っているわけではない。
時代の流れに乗り古きものを捨てるか、時代の流れに逆らい古きものを守るか____
妙さんは『守る』を貫いているけど『捨てる』という決断も捨てきれていない。
新八君は『捨てる』という決断に揺らいでいるけど『守りたい』と思っている。
結局は決断できないわけだ。
まぁそりゃそうだよね、親が守りついだものを切り捨てるか継ぐかなんてすぐに決められる事ではないから。
色々な思いに浸っていると道場の門が大きな音を立てて開け放たれた。
何だ何だ、道場破りか。
「くらぁぁぁぁ!!今日という今日はきっちり金返してもらうで〜!!わしもう我慢でけへんもん!!イライラしてんねんもん!」
何あのマッシュルームは…なんかイラっと来るんだけど。周りの部下らしき奴もマッシュルームだから余計。
関西弁というのも更に腹立つ、何あのマッシュルーム
「……見た限り取り立て、…ってとこか……」
私はしばらくマッシュルーム達を見た後にポツリと呟いた。どうやら銀はそんなつぶやきを聞き逃さなかったっぽい…無駄に地獄耳。