第3章 ⅲ
家に帰ってきて、スーパーで買った食材を冷蔵庫に入れたりして片付けた
そして服や日用品を取り出して、燭台切さん用に買った布でできた収納ケースにしまった。
買った物の整理も終わると、彼は冷蔵庫からいろいろ取り出して、キッチンで料理を始めた。
「心海ちゃんは寛いでて大丈夫だよ。僕に任せて」
「じゃあ、お言葉に甘えます」
私はそう言ってスマホを弄りながらベッドでゴロゴロし始めた。本当は手伝いをしないといけないなと思いつつ、少し頑固そうな彼を見ると手伝わせてはくれないと思う。
「なんか明石くん見てるみたい」
料理を作りつつ私を見てそういった。
「明石くんって誰ですか?」
「僕の本丸の仲間だよ。なんか1日しか経ってないのに懐かしく感じるよ」
声は明るかったけど、前髪で表情が見えなかった。
やっぱり寂しいのかな?いきなり知らないところに来たんだし、明るく振舞ってる感じもする。
私はベッドから起き上がって、言葉にはせずただ黙って彼の姿を見ていることしかできない。
邪魔しちゃ悪いかなって思ってスマホに目を移して、ネットサーフィンをした。
刀 付喪神
と何気なく検索すると色々とでてきた。
そして、付喪神についてというページを見ていくと、付喪神が死ぬ条件というのがでてきた。
刀身を物理的に破壊する
誰からも忘れ去られる
紛失や売却等によって霊体が長期間刀身から離れる
とかかれていた。
誰からも忘れ去られる
その一文がとても怖く感じた。