第2章 ⅱ
身長が高すぎて、髪もそこら辺の男性より少し長いから燭台切さんはとても目立つ。
私はヒールを履いて頑張ってオシャレをしたけど、釣り合わなすぎて隣を歩くのが恐れおののいた。
「次で降ります」
「わかった………あのさ敬語やめない?さっきから視線を感じるから」
「う、うん、わかった」
神様に敬語を使わないなんて末代まで呪われそうとか思ったけど、燭台切さんはそんなことを気にしていないようで物珍しそうに外の景色を見ていた。多分視線を感じるのは彼がかっこいいからだと思うという言葉は飲み込んだ。
駅についてショッピングモールへ向かう途中、人が沢山いて歩くのが大変だった。いきなり手を握られてそれを見ると燭台切さんだ。
「離れちゃうと危ないから手を繋ごう」
今の私は顔を真っ赤にしているんだろうなと思う。手を繋ぐなんて、ましてや男の人となんて幼稚園の時以来で緊張する。
無事に到着して、メンズ服が売ってる店に向かい、彼はいろんな服に目を輝かせていた。
店員さんも来て、盛り上がっていた。
「彼女さんはお好みのはありますか?」
いろんなパターンの全身コーディネートを出されて、いきなり彼女さんはと言われてしどろもどろになりながら答える。当の彼は満更でもない表情をしている。
「やっぱり僕もこれがいいって思っていたんだよね。じゃあこれにしようかな」
「あとこれとこれもいいと思うから、買おう!」
私は咄嗟にあと2パターンのコーディネートも店員さんにお願いした。
さすがに一つだけなんてやばいと思った。
「本当にいいの?お金、大丈夫?」
「大丈夫だよ。心配しないで」
カードを切ればいいかと思った。
来月の請求怖いけどこれは生活必需品だから気にも止めないようにする。
服選びも終わって、日用品売り場に足を運んだ。