第2章 ⅱ
日差しの眩しさに目を開けると、目の前に燭台切さんの眠る顔があった。
壁際に縮こまりながら寝ていたはずなのに、腰に腕が回っていて抱きしめられるように眠っていた。
こんな事初めてすぎてドキドキして、時計を見たらまだ7時だった。
あと1、2時間は寝れると思って、私は寝返りを打つこともせずにされるがままに眠った。
「心海ちゃん、ごめん」
燭台切さんの焦った声に目ぼけ眼から覚醒する。
「僕、心海ちゃんに抱きついてたよね…ごめんね」
寝起きの掠れた彼の色っぽすぎる声に内心悶えつつも大丈夫ですというが、狼狽えてる彼を前にすると微笑みがこぼれる。
「嫁入り前の女の子に僕なんてことしてたんだろう…かっこ悪いな」
「そんな、気にしないでください」
そんやり取りをして布団から出て、身支度をして朝食とは言えないけどパンをつまんで、出かける準備をした。
燭台切さんは元々着ていたスラックスとワイシャツを着てもらって燕尾服とネクタイと防具はハンガーにかけたままにしてもらった。
「あの、眼帯って外せますか?無理なら全然大丈夫なんですけど」
「あぁこれ?いいけど……なんでかな?」
「えっと、医療用のなら大丈夫なんですけど、今の時代だとそういう眼帯が無くて、みんなの視線を受けてしまうからだと思って」
「なるほど、大丈夫だよ」
そう言って眼帯を外した燭台切さんを初めて見た。左目と同じ色で、とても綺麗な色をしている。
「初めて眼帯を外したからなんか違和感あるな……」
「え、初めてなんですか!?でも、目、傷がない……」
「うん、僕は主に顕現された時から眼帯を付けていたからね。眼帯は物足りなくて付けたんだ。元主の伊達政宗公の影響もあるけど」
そう言う彼にすごくびっくりした。
そして外へ出て電車に乗ってショッピングモールへ向かった。