第9章 ix
「心海ちゃん、僕は君のことが大切なんだ。でも君には君の生きる世界がある。でも嫌でなければ僕と一緒に暮らさないかな?主に君の事を伝えたんだ。そしたら主もOKしてくれた」
「えっ………ほんと、ですか?」
「うん、僕を助けてくれた恩人だからって言ってた。それに主は僕の気持ちを見抜いていたんだ。僕は君の事が好きになってた。だから、僕と一緒に生きてくれませんか……」
燭台切さんの言葉はすごく嬉しかったでも彼とは生きる世界が違い、私は今の生活がある。今の生活をを捨てる覚悟が出来ないでいた。
「…いきなりこんなこと言われても困るよね。僕は君の世界で生きたいと主に言ったけど、それは無理だって言われてしまった。君の世界で生きれば君はそのままなのに…」
彼がこんなにも自分のことを話すのが初めてだったから凄く混乱もした。
彼は私のことを大切だ、好きだと言ってくれた。
私の気持ちは同じだった。
大切だし、好きになっちゃいけない人って思ってたはずなのに、会えるかもわからないのについ燭台切光忠のゆかりの土地へ来てしまった時点で私は彼のことがいつの間にか好きになって彼でいっぱいだった。
居なくなってとても不安だったことも当てはまる
「実は、君のことが気になって主に話した後、主が君の世界を特定してくれて、君の行動を本丸で見たんだ。僕の仲間も見ていた。鶴さんって言う人がね、君を見て驚いていたんだ。会えるかもわからないのに、未開の地へ訪れるとはってね。そして僕をここまで主が送ってくれたんだ。ケジメをつけるまで帰ってくるなって言われちゃった。女を泣かせるなんて罪だって凄まれて」
そう言って燭台切さんは苦笑いをしていた。