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【刀剣乱舞】現夢幻

第7章 vii



燭台切さんが来てからなんだかんだ1ヶ月が経とうとしている。帰る為の手がかりは見つからない。いままでと何も変哲のない毎日を過ごした。


朝は彼のお手製の朝ごはんを食べて、お弁当を持たされて見送られて、仕事をして、帰りは彼が駅まで迎えに来てくれて、既にできている夕飯を食べて一緒に眠る。毎日そんなにルーティンだ。

抱きしめられながら眠るのにも慣れてしまった。
人間の慣れというのは恐ろしいものである。


そんな今日も同じ日がきたと思ったが、1つ事件が起こった。

仕事でミスをしてしまい、いろんな人に迷惑をかけてしまった。
周りの人や上司達は大丈夫だとフォローしてくれたけど、トイレに行って個室に入ったら同僚と先輩がメイク直しに入ってきたのか声がした。

聞くつもりはなかったけど、会話の内容が私の陰口だった。個室から出るに出れなくて、聞き耳を立ててしまった。
ボロクソに言われて辛かった。

声もしなくなり、私はトイレから出た。鏡に映った私の顔は青ざめている。冷や汗が吹き出して、手も血が通ってないのか冷たくて痺れた。
心臓が鷲掴みされたように苦しくて、でも仕事に戻らなきゃと思って自分の持ち場に戻る。

お昼になり、燭台切さん手作りのお弁当を食べた。
周りの皆はランチに行ったのかオフィスには私一人だけで、柄にもなく泣いてしまいお弁当の味は全て涙でしょっぱかった。

午後になって、化粧もしっかり直して仕事をした。
定時を過ぎても、私は周りが怖くてみんなが帰るまで残業をする。1人になった空間でそろそろ帰ろうと思い、会社を出た。
定時から4時間過ぎていた。
家にいるであろう彼には遅くなると連絡を入れていた。
最初の頃、2時間待ったなんて言われてからというもの、残業が当たり前になってる私は連絡を入れるようにしていた。

明日から何気に取った有給を合わせた4連休が続くからだからまだよかったと思いつつ、最寄り駅に着く。

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