第6章 vi
髪も乾かし終わってスマホを見てふとSNSを覗く。地元の友人が何人も結婚報告したり、子供が生まれた報告とか子供の写真を投稿をしていて、私は少し焦りを感じた。
みんな幸せそうだなと思う。私なんて社畜街道まっしぐらだ。
社会人になると共に一人暮らしを始めて今に至る。
しばらく地元には帰っていないから、いつの間にか地元の周りの人達は結婚したり子供を産んだりしていて、驚くばかりだった。
「…心海ちゃん」
「は、はい!」
いきなり燭台切さんに名前を呼ばれた。
「どうしたの?呼んでも返事しないからびっくりしたよ」
どうやら私はSNSに夢中で周りの音なんて聞こえなかった。
「ごめんなさい」
私はそういうと彼は私の手元のスマホの画面を覗き込む。別にやましいものを見ていないから急に覗き込まれても問題なく、スマホを見やすいようにした。
「……これ友達と赤ちゃん?」
「そうなんです、友達、最近子供生まれたみたいで」
「そうなんだ。心海ちゃんはいい人とか居ないの?」
「…残念ながら居ないです。仕事ばっかになってしまってて、私、孫の顔も親に見せれないのかなと思ってしまいました」
「そっか…まぁでも、きっと君にはいい人が見つかるから焦らないで大丈夫だと思うよ。明日も早いんだし、そろそろ寝ようか」
「そ、そうですね。寝ましょう」
スマホを閉じて充電器に差し込み、2人でベッドに潜り込んだ。
私にはこの生活も悪くないなと私は思った。